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店主ブログ
2026.09.14
先日、近所の居酒屋で思いがけない再会がありました。
これまでに何度か工事をさせていただいている、千葉県旭市のお客様の旦那様です。お会いするのは5〜6年ぶりでした。
旦那様は私の顔を見ると、思い出したかのように、床の間の畳が変だから見てもらいたい、とご相談くださいました。
何年経っても、顔を見て畳のことを思い出していただける。畳屋として、本当にありがたい事です。
後日、お宅にお伺いしました。
見せていただいた床の間は、とても立派なものでした。
床の間の畳は1枚。龍鬢表(りゅうびんおもて・床の間などに使われる、淡い色合いの畳表)に、紋縁(もんべり・紋の柄を織り込んだ畳縁)を付けた畳です。
龍鬢表に紋縁という組み合わせは、床の間の中でも格式の高い仕様です。普段の和室の畳とは、仕立てそのものが違います。
ところが畳を拝見して、旦那様がおっしゃる「変」の意味が分かりました。
畳表の全体に、何かをこぼしたようなシミが広がっていたのです。

詳しく拝見すると、シミは表面だけでした。下地の畳床(たたみどこ・畳の土台部分)は傷んでおらず、大丈夫な状態です。
そこで、表替えをご提案しました。表替えとは、畳の土台となる畳床はそのまま使い、表面のい草(畳表)と縁(へり)を新しいものに張り替える工事のことです。
土台がしっかりしていれば、畳床まで作り替える必要はありません。表面を新しくすることで、床の間の畳は元の姿に戻せます。
工事の内容をご相談すると、お客様のご希望ははっきりしていました。
多少値段がはってもいいので、今と同じ仕様で工事をしてほしい、とのことでした。
せっかくの立派な床の間です。同じ龍鬢表と紋縁で仕上げたいというご希望に、しっかりお応えしたいと思いました。
ただ、この仕様は手間暇がかかります。理由は大きく3つあります。
龍鬢表も紋縁も、普段から在庫している材料ではありません。ご注文をいただいてから取り寄せるため、材料がそろうまでに日数がかかります。
龍鬢表は、普通の畳表よりも扱いに気を遣う材料です。張るときにも、いつも以上に神経を使います。
紋縁には、紋の柄が並んで入っています。そのため、畳の角や長さに合わせて柄の位置をそろえながら縫い付けていきます。無地の縁のように、まっすぐ付ければよいというわけにはいきません。
こうした理由から、畳は数日お預かりして、仕上げさせていただきました。
仕上がった畳をお納めし、床の間に敷き込みました。
シミが広がっていた床の間が、龍鬢表と紋縁の本来の姿に戻りました。

ところが、完成した床の間をご覧になったお客様は、今度は壁のシミが気になってきたようでした。畳がきれいになったぶん、周りの汚れが目に入るようになったのかもしれません。
壁は畳屋の仕事ではありませんので、左官屋さん(さかんやさん・壁を塗る職人さん)をご紹介しました。壁をどうされるかは、これからお客様がご検討されるところです。
居酒屋でばったりお会いしたことから始まったお仕事が、床の間の畳、そして壁へとつながっていく。こうしたご縁も、地元で仕事をさせていただいているからこそだと感じています。
今回は千葉県旭市のお客様の、床の間の畳1枚の表替えをさせていただきました。きっかけは、近所の居酒屋で5〜6年ぶりに旦那様とばったりお会いしたことでした。
龍鬢表に紋縁という格式の高い床の間の畳に、何かをこぼしたようなシミが全体に広がっていました。ただ、傷んでいたのは表面だけで、下地の畳床は大丈夫。そこで表替えをご提案し、お客様のご希望どおり、同じ龍鬢表と紋縁で仕上げさせていただきました。
床の間の畳にシミや汚れがあっても、畳床がしっかりしていれば、表替えで元の仕様のまま新しくすることができます。ただし、龍鬢表や紋縁のような床の間の仕様は、材料の取り寄せや柄合わせに手間がかかるため、数日お預かりすることになります。床の間をお使いになる予定が決まっている方は、日にちに余裕を持ってご相談いただくことをおすすめします。
また今回のように、畳が新しくなると、壁など周りのことが気になってくることもあります。畳以外のことでも、職人さんをご紹介できる場合がありますので、遠慮なくお声がけください。
畳や襖、障子のことで気になることがございましたら、千葉県旭市の小久保畳店までお気軽にご相談ください。
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