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店主ブログ
2026.08.18
目次
1. フローリングにするか、畳を残すか ― 息子さんご夫婦のお悩み
2. 45年使った畳床は限界。表替えではなく新畳をご提案しました
3. 熊本県産のい草と、白と黒の市松模様の縁
4. 畳を上げたら床一面に新聞紙。その下はカビだらけでした
5. 一番喜んだのは、畳の上を走り回るお子さんたちでした
6. まとめ
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1. フローリングにするか、畳を残すか ― 息子さんご夫婦のお悩み
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皆さん、こんにちは。千葉県旭市の小久保畳店です。
先日、旭市の新しいお客様から畳替えのご相談をいただきました。築45年のお宅で、20年ほど前にご両親が畳替えをされて以来、そのままお使いになっていたそうです。
今回ご相談くださったのは、代が変わった息子さんご夫婦でした。実は、畳を続けるかどうかで、かなり悩まれていたそうなんです。小さなお子さんがいらっしゃるので、どうしても汚してしまう。いっそフローリングに変えてしまおうか ― そう考えた時期もあったといいます。
それでも最終的に畳を残すと決められたのは、お父様がご健在のうちは、この和室を畳のままにしておきたいというお気持ちからでした。
暮らしやすさを考えればフローリングという選択もあったはずです。それでもお父様のことを思って畳を選んでくださった。そのお話を伺った時点で、私はこのお仕事を精一杯やらせていただこうと心に決めておりました。
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2. 45年使った畳床は限界。表替えではなく新畳をご提案しました
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お宅に伺うと、8畳と6畳の二間続きの、それは立派な和室でした。
さっそく畳を詳しく拝見したのですが、これがなかなか厳しい状態でした。20年前にご両親が畳替えをされたというのは、畳表を新しくする表替えという工事だったようです。表替えというのは、畳の土台である畳床(たたみどこ)はそのまま使い、表面のい草と縁だけを新しくする工事のことをいいます。
つまり、土台である畳床そのものは、45年間ずっと使い続けてこられたということになります。実際に確認させていただくと、畳床がかなり傷んでおりました。ここまで傷んでいると、表面だけを新しくしても、踏み心地は元には戻りません。
そこで今回は、表替えではなく新畳(しんだたみ)、つまり畳床から丸ごと新しくすることをご提案いたしました。
これまでの畳は、昔ながらの藁床(わらどこ)でした。稲藁を何層にも重ねて縫い上げた、日本の伝統的な畳床です。踏み心地の良さは格別なのですが、湿気を含みやすく、重いという面もあります。
今回は現在の主流である新建材の床をお選びいただきました。藁床に比べて軽く、防虫・防湿に強いのが特徴です。小さなお子さんがいらっしゃるご家庭ですから、この選択は正解だったと思います。

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3. 熊本県産のい草と、白と黒の市松模様の縁
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畳表には熊本県産の天然い草を使わせていただきました。生産農家は森野利明さんです。

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国産、それも熊本県産のい草は香りが豊かで、丈夫さにも定評があります。フローリングにするか悩んだ末に畳を選んでくださったお部屋ですから、しっかりとした国産い草でお応えしたいと考えました。
そして今回、ご夫婦が一番こだわられたのが畳縁(たたみべり)です。畳縁というのは畳の長い辺についている布のことで、実はお部屋の印象を大きく左右する部分なんです。
お選びいただいたのは、大宮縁のルーミーNo.48。白と黒の市松模様の縁です。
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いや、これはさすが若いご夫婦だなと思いました!私などではなかなか思いつかない選択です。仕上がってみると、これまでの純和室から一気にモダンな和室へと様変わりしました。熊本県産のい草の落ち着いた色合いに、白黒のはっきりした縁が並ぶ。二間続きの広い和室だからこそ、この縁の効果が存分に出たように思います。
畳縁ひとつでお部屋の表情はここまで変わるのかと、職人の私のほうが勉強させていただきました。
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4. 畳を上げたら床一面に新聞紙。その下はカビだらけでした
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さて、工事当日のことです。
古い畳を上げてみると、床板の上に一面、新聞紙が敷き詰められておりました。昔はこうして畳の下に新聞紙を敷くお宅が、決して珍しくありませんでした。
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ところが、その新聞紙をめくってみて驚きました。床板が湿気でカビだらけだったのです。
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畳の下の新聞紙は、実はおすすめできません
畳の下に新聞紙を敷くのは、湿気やホコリを防ぐためだと思っておられる方が多いのですが、私はおすすめしておりません。理由は主に2つあります。
– 湿気を吸ったまま、乾かない ― 床下から上がってくる湿気を新聞紙が吸い込みます。ところが畳の下は風が通りませんから、吸った湿気がそのまま溜まり込んで乾いてくれません
– カビの館になってしまう ― 湿ったままの紙が、そのままカビの発生源になります。今回のように床板まで傷めてしまうことがあるんです
良かれと思ってやったことが、かえって家を傷めてしまう。畳を上げてみて初めて分かることですから、これは本当に気づきにくいのです。
では、どうすればよいのでしょうか
湿気が気になる場合、私がおすすめしているのは次の3つです。
– 防湿シートを使う― 敷くのであれば、湿気を吸ってしまう紙ではなく、湿気を通さない専用の防湿シートをお使いください
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– 床下の換気を見直す ― 床下の換気口が塞がっていないかを確認します。回りに荷物や植木鉢が置かれて、換気口を塞いでしまっているお宅は意外と多いものです
– 定期的に畳を上げて見る ― これが一番確実です。畳替えのときは畳を全部上げますので、床板の状態を直接確認できます
急遽、床板の張替え工事を行いました
今回はカビの状態が見過ごせるものではありませんでしたので、急遽、床板の張替えをさせていただくことになりました。大工さんを手配し、連携して工事を進めます。
古い床板を剥がし、新しい床板を張り直す。そして、新しく乾いた床の上に、新しい畳を敷き詰めていく。畳替えのご依頼から思わぬ工事になりましたが、あのまま新しい畳を敷いていたら、せっかくの新畳もいずれ湿気にやられていたはずです。
畳替えは、家の床下の健康診断でもある ― 今回も、そのことを改めて実感したお仕事でした。
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5. 一番喜んだのは、畳の上を走り回るお子さんたちでした
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工事が終わり、二間続きの和室に新しい畳が敷き揃いました。
仕上がりを、ご夫婦は大変喜んでくださいました。そして何より嬉しかったのが、お父様のご様子です。息子さんご夫婦に向かって、よくやってくれたと感謝しておられました。
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フローリングにするかどうかで悩まれた末に、お父様のために畳を残すと決められた息子さんご夫婦。そのお気持ちが、こうしてきちんとお父様に届いている。その場に居合わせることができて、私は本当にありがたい気持ちになりました。
そして、一番喜んでいたのは小さなお子さんたちでした。新しい畳の上を、それはもう嬉しそうに走り回っていたのです。
きっと真新しい畳の上を走るのは初めての経験だったのでしょう。あの興奮ぶりを見ていると、こちらまで嬉しくなってしまいます。汚してしまうからとフローリングを考えておられたお子さんたちが、誰よりも畳を喜んでくれた。これ以上の結果はありませんでした。
ご家族みなさんが喜んでくださって、ご家族の絆が深まる。そんな場面に立ち会わせていただけると、この仕事をしていて本当に幸せだなと思います。
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6. まとめ
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今回は千葉県旭市で、築45年のお宅の二間続きの和室、8畳と6畳の畳替えをさせていただきました。45年使われた藁床が傷んでいたため新畳をお作りし、畳表は熊本県産の天然い草、畳縁は白と黒の市松模様のものをお選びいただいて、純和室から一気にモダンな和室に生まれ変わりました。
そして工事当日には、床一面の新聞紙とその下のカビという思わぬ発見があり、急遽床板の張替えも行うことになりました。
畳の下に新聞紙が敷いてあるお宅は、今もたくさんあります。もし心当たりのある方は、次に畳替えをされる際に、ぜひ床板の状態も一緒に見せていただければと思います。湿気対策として敷くのであれば、新聞紙ではなく防湿シートを。そして床下の換気口が塞がれていないか、一度確認してみてください。
20年、30年と畳を替えずにいると、床板の異変に気づく機会そのものがなくなってしまいます。畳替えは、和室を綺麗にするだけでなく、普段は見ることのできない床板の様子を確認できる大切な機会です。フローリングにするか畳を続けるかでお悩みの方も、まずは一度、畳の下を見てみることから始めてみてはいかがでしょうか。
畳や襖、障子のことで気になることがございましたら、千葉県旭市の小久保畳店までお気軽にご相談ください。
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